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超伝導って何だろう?
マイスナー効果とは・・・

浮遊する磁石

これは字を読んでもさっぱり意味がわかりませんね。
でも、皆さんは、一度は雑誌やテレビで磁石が浮いている写真や映像を見たことがあると思います。 あの現象こそがマイスナー効果の賜物(たまもの)なのです。 超伝導状態にある物質は、その物質内に磁束の侵入を許しません。 磁束というのは、皆さん磁石を砂鉄の中に置いたときに磁石のN極とS極とを結んだ曲線状にきれいに砂鉄の 模様が出来るのを見たことがあるでしょう。あれが磁力線といわれるものです。 磁束とはその磁力線が集まったものです。

磁場が追い出される様子

つまり、超伝導状態の物質の上に磁石を置くと、磁石からは磁力線が出ていますが、その下にある物質は 超伝導状態であるために、その磁力線を通しません (dではなくbの状態を取ります。 電気抵抗がゼロになるだけではdも許されるのでマイスナー効果こそが本質ということが分かるでしょう。) 。これによって、磁石から出た磁束(磁力線)はその下にある 超伝導状態の物質を押し下げようとする磁気的な圧力(反発力)を生み出します。 これにより、上にある磁石が浮上するというわけです。

他にも・・・
上記の2つの性質の他にも、ジョセフソン効果などの、超伝導状態に特有の重要な性質もあり、 これを利用したSQUID(物理研究分野で使われる装置)などがすでに実用化されています。 これらの性質を説明しようとすると量子力学などの高校以上の知識が必要なのでここでは省略します。

転移温度の遷移

以上のような超伝導に特有の性質を説明する理論としては、 1957年にバーディーン、クーパー、シュリーファーにより打ち立てられたBCS理論というものがあります。 これは、超伝導の性質を説明しただけでなく、同時に Tc40K(摂氏-230度)を超えないであろう、という予測もしました(BCSの壁といわれた)。 そしてこの後の30年間はこの予想を超えるような物質は見付かりませんでした。 しかし、1986年にベドノルツ、ミュラーによりこれまでの金属とは異なり銅を含む酸化物(セラミックス)が 30K(約摂氏-240度)という転移温度を示すという報告がされてから、世界中でいっせいに銅酸化物超伝導体の研究が 始まり、現在ではなんと高圧下で160K(約摂氏-110度)にまで達しています。 ちなみにこのように高い転移温度(室温に比べるとかなり低温であるが、「今までと比べて」という意味で) を示す物質を、高温超伝導体といいます。

しかしながら、このBCS理論で説明しきれない高温超伝導体の超伝導を説明する体系だった理論は 未だにできておりません。 我々の研究室では実験という手法により、この超伝導を解明しようとして日々研究を進めております

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